イベリコ豚発祥の地で(2日目 農場編)

イベリコ豚発祥の地で(2日目 農場編)

豚おじさんと呼ばれている人がいます。
いじめられているわけではありません。尊敬をもって呼ばれる称号なのです。
イベリコ豚はこの地を発祥とする黒豚です。
モンテサーノは純血の子豚を選りすぐって買い付け、森と原っぱの中間であるデエサ
と呼ばれる広大な土地に放し飼いで育てます。

そこを管理するのが豚おじさん。この人です。

一頭あたり1から2ヘクタール割り当てられています。参考までに阪神甲子園球場が
1.3ヘクタールです。
丘で木も草も生えている甲子園球場で豚一匹探そうとしても簡単には見つかりませ
ん。
朝から探して夕方にやっと見つかるなんて話も聞いていましたが、今日は20分程ドン
グリを見ながら歩いていたら

運良く群れを見つけられました。

イベリコ豚はとても臆病で、人間を見つけるとスタコラ逃げていきます。
豚おじさんの指示で先回り。

数時間前に僕はこの子たちの喉が裂かれる現場を見てきたばかりです。それなのにこ
の牧歌的な風景は僕を癒します。
しゃがみ込んでいろいろな事を考えていたら、気づくと豚たちに囲まれていました。

豚おじさんが慌てて携帯でムービーを回しはじめました。臆病な豚たちが自分たちか
らこんなに人間に近づいてきたのは始めてだったそうです。
鼻息荒い命の躍動がすぐ手の届く目の前で僕を見つめています。

大きな半野生の豚なのに、怖さはまったくありませんでした。小さな瞳が僕を哀れん
で、赦してくれているような気さえしました。

村への帰り道。スペインでも3カ所しかない闘牛用の牛を育てている農場が近くにあ
るというので見に行きました。こちらは怖かったです。100m以上離れた所から本気で
威嚇されました。

村に帰って乾杯!

スペインのビールは旨い!

そして罪深き僕はこの後イベリコ豚の子供の丸焼きを食べました。

画像は自粛します。